【コミカライズ】うっかり助けた魔女の恩返しで、好きな人の元に自動で向かう魔法を靴にかけられ、彼に触れると発動する淫紋を刻まれた私に起こった椿事。
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 ブランとロルフは、隣同士の家に住む幼馴染だ。小さな頃はとてもとても、仲が良かった。

 何をするにも二人一緒だったし、なんなら彼と繋いでいる手を離すのがどうしても嫌だったから、ブランは髪を結っていたリボンでお互いの手を縛ったこともある。固い結び目が子どもでは解けなくなって、親にナイフで切ってもらう時も、ブランはロルフと離れたくないと言って泣いた。それほどにまで、幼馴染のロルフの事が好きなのを隠さない女の子だった。

 幼い頃は同じくらいの体型だったけれど、ある時から突然、ロルフの背はにょきにょきと伸び始めた。ロルフの父親は、精悍な顔を持つ船乗りで一際身体も大きく腕っ節も強い男性だ。彼の血を引く人形のような顔を持つ金髪碧眼の可愛い男の子は、あっという間にすっきりとした精悍な顔になり伸びやかな若木のような身体を持つ青年へと成長した。
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