【コミカライズ】うっかり助けた魔女の恩返しで、好きな人の元に自動で向かう魔法を靴にかけられ、彼に触れると発動する淫紋を刻まれた私に起こった椿事。

　ちょうど、祖母の葬式などもあり、母親の田舎に帰っていて二ヶ月程、彼に会えなかったブランは、彼だけいきなり成長したようなロルフを見て言葉には言い表せぬほどに動揺した。

　ただただ、恥ずかしかった。成長したロルフがこの前まで無邪気に互いに好きだと言い合っていた男の子とまるで違う人のようでもあり、なぜか彼だけが一人、遠くに行ってしまったようにも思えた。

　ロルフは無表情が標準で、あまり喋らない。けれど、久しぶりに会えたブランを見て、再会の時に彼はとっても嬉しそうな顔をした。

「私に近寄らないで！　ロルフ、こわい！！」

　そう叫んだブランに、彼には珍しいひどく傷ついた表情を見せた。しまったと思ったけれど、咄嗟に謝ることも出来ず、恥ずかしくて自分が情けなくてその場は走り去ってしまった。

　それから、何回も何十回も何百回も誤解を解こう解こうとはしたけれど、全部失敗続きだ。ロルフとの誤解はずっと解けないままに、今では五年の月日が流れてしまっている。