【コミカライズ】うっかり助けた魔女の恩返しで、好きな人の元に自動で向かう魔法を靴にかけられ、彼に触れると発動する淫紋を刻まれた私に起こった椿事。
 ロルフは現在、冒険者ギルドに登録している優秀な剣士だ。幼い頃はまるで金髪碧眼の天使のような外見だった彼は、今はキリッと凛々しい顔を持つ逞しい美青年へと成長している。

 二人はあれ以来、まったく会話などはない。

 今も双方親元で隣に住んではいるが、ロルフを見るとブランはどうしても男らしく成長した彼から、逃げ出したくなってしまう。きっとロルフのことを尋常じゃないくらいに、好き過ぎてしまっているとはブランはもう自分でも気がついてはいた。

 ロルフが何か言いたげにしていても、長年心の中に降り積もった居た堪れなさも手伝って、そそくさと逃げて出してしまうのだ。

 彼本人と話をすることはないものの、小さな村なので、どうしても良く噂は聞こえてくる。
< 5 / 28 >

この作品をシェア

pagetop