アラサーOLは婚約者より身近にいる優しい彼が好き


「早く起きて逃げなさ~い!」


 そう叫びながら、私が眠るベッドへ思いっきり飛び込むようにダイブする。

 勢いと衝撃で、何か奇跡がおきるんじゃないかと考えた。


 夢中になって、思わず行動に出たけど……


「ええええっ!」


 掛け布団と私の体とベッドをすり抜け、床へ大の字になって落ちてしまった。


「イタタ……いや、痛くない」


 幽体離脱してるので体はベッドで寝てる、痛みは無いけど残念な気持ちでいっぱいだ。

 無理もない、私は透明人間のような存在で実体化してないから……

 などと、ガッカリしてる暇はない!


 床へ大の字に倒れた体を起こして立ち上がる。

 ベッドの中心部分と私のお腹を突き抜け、顔を出すととんでもない光景が広がっていた。



「それは絶対にダメーっ!」




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