アラサーOLは婚約者より身近にいる優しい彼が好き


 眠ったまま抵抗できないのをいいことに、何を好き勝手やってるのよ!

 もう、いいかげんにしてほしい!


 怒りにまかせて立ち上がった私は、何とかしようと課長の側に行く。



 その時……



 パシャッ



 聞いたことのあるシャッター音がした。


「えっ、課長なにやってるの?」


 ベッドで眠る私の頬と課長の頬が付きそうな距離のまま。

 気持ち悪い笑顔を見せている。


 課長は右手に持つスマホの画面を見ながら、アングルを確認して再びパシャッ。

 今度は、目を細めて横顔になるとパシャッ。

 すぐ隣には、目を閉じたまま枕に後頭部を付けて眠る私の姿が……



「なんで、自撮りしてるのよ……」




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