アラサーOLは婚約者より身近にいる優しい彼が好き
予想外の行動を見て、私は再び白目になってしまう。
「もう、いいかげんにして~っ!」
私はキャーキャー叫びながらナースコールのボタンを激しく連打。
……してみたけど、無理みたい。
今度は課長の背後に回って背中や頭を両手でポカポカ叩く。
だけど、体をすり抜けてダメージを与えることができない。
絶体絶命、私は手を合わせて南無阿弥陀仏と祈る。
その時、病室の扉からコンコンとノックをする音が……
課長は慌てて私の手を布団の中にねじ込んだ。
「失礼します」
看護師さんが病室に入ってくるのと同時に、課長は立ち上がり急いで外へ出て行く。
祈りが通じたのか、危機は過ぎ去って私はその場に座り込む。
もう、課長だけは病室に来ないで欲しいと、私は心から願っていた……