アラサーOLは婚約者より身近にいる優しい彼が好き


「もう、会うことはないから言っとくぜ」


 彼は、ベッドで眠る私に向かって話す。


 結婚は無かったことに、交際も終了。

 何もかも一方的なもので、私は耳をふさぎたくなる。

 彼のすぐ横に立って、話を聞いているのが辛い……


 最後は、二年の二股期間があったキラキラOLと

 結婚を考えてる、とまで口にした。



 その言葉を聞き、彼にバックハグをして喜ぶキラキラOL。

 幽体離脱した私は、反論することができない。

 目の前の現実を目にして、ただ黙って口を噤む……


 すぐ横で、幽体離脱した私が話を耳にしてるなんて思ってもいないだろう。

 無意識で眠ってるから、何も聞こえてないと信じ込んでる彼は言いたい放題。



 でも、私はすぐ横にいるんだよ……



 目に涙を溜め、立っているのが精一杯の状態。




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