アラサーOLは婚約者より身近にいる優しい彼が好き


 まさか、婚約者が……


 ふと、あの人の顔が脳裏に浮かんだけど、病室に来ることはないと宣言してたから違うよね。

 だとしたら、いったい誰?


 目を細めながら身構えて、病室の扉に視線を向ける。

 また、コンコンと扉をノックする音が。

 そして、何の反応もない。


「えっ……」


 私は、ちょっと怖くなってきた。

 病院なので、幽霊が出てもおかしくはない。

 とゆうか、幽体離脱してる私が言うようなセリフではないのだけど……



 恐怖で身構えていた時、少しずつ病室の扉が開き始めた。


「なになに?」


 私が騒いだって、誰の耳にも届かないから迷惑にはならないだろう。



 でも、胸のドキドキが止まらないよ……




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