もしも、私の背中に翼があったなら。(短編)
りょうは煙草を潰すように火を消した。
そして私を睨みつけて
「今日は残業がなかったから、俺は美沙と一緒に飯でも食いに行こうと早く帰ってきたのに…店の奴と喋ってた?なんだそれ。」
りょうは怖い顔をして立ち上がる。
『ごめん、りょう。そんな怒んないで?待たせてごめんね?』
りょうは身長が高いし
上から見下ろすようにそんな怖い顔されると
私は本当に怖くなって
今にも震え出してしまいそうになるんだ。
「どうせくだらねー話でもしてたんだろ?俺を待たせておいて。」
『くだらない話なんてっ……そんな言い方しないで…』
「くだらねーだろ!!店の奴ってまさか男じゃねーだろうな?」
優しいりょうとは別人
りょう、どうしてそんなに怒るの…?
怖くて泣きそう。