もしも、私の背中に翼があったなら。(短編)
その日の夜中
私は怖い夢を見て目を覚ました。
どんな夢だったかはハッキリ覚えていない。
だけど、暗くて怖くて
本当に嫌な夢だった。
額に汗をかいていた。
ふと隣を見ると
一緒に寝ているはずのりょうがいない。
私は布団から出て
リビングのドアを開けた。
『りょう………?』
りょうは私の鞄の中身を全部出して
チェックしていた。
『何やってんの…?りょう……』
「怪しいものがないかチェックしてるだけだよ。」
当たり前のような顔で
平然として言う。
『やだなあ。何もないよ?怪しいものなんて。』
私が笑ってそう言っても
りょうは無視して
私の手帳を開いた。