もしも、私の背中に翼があったなら。(短編)
手帳にはさんでいた1枚の写真を見て
りょうは不機嫌な顔をした。
それはインテリアショップで働くみんなが
新社員の歓迎会を開いてくれた時の写真。
私のすぐ隣には仲良さげに向井さんが座ってピースしている。
「こいつ……誰?」
りょうは写真の向井さんを指差した。
『向井さんってゆう人………2つ年上の……先輩だよ。』
「ふーん……馴れ馴れしくひっつきやがって。」
りょうはそう言うと
写真をビリビリに破いた。
『ちょっとっ!!りょう…何するの?やめてよ!!』
私がりょうの手からバラバラになった写真を取ろうとすると
りょうはイキナリ私を突き飛ばした。
「いらねーだろこんなもん!!この男となんかやましいことでもあんのかよ!」