もしも、私の背中に翼があったなら。(短編)
『なんで……?なんですぐに疑うの??何もないよ……。』
「嘘ついてんじゃねーよ。」
『嘘じゃないよぉ。ただの先輩だってば…。私にだって知り合いの男の人くらいいるよ…』
りょうは床に転んだ私を上から押さえつけた。
「全員きれよ。知ってる男全員と。」
きる…?
毎日店で合う向井さんや店長は男の人。
繋がりをきれるわけないじゃん…
『無理だよ…。仕事関係の人もいるんだし…』
りょうは………
私を強くひっぱたいた。
「いいから黙って言うこと聞け。」
私は涙を流しながら
無理やり
りょうの命令に頷いた。
怖かった。
鞄の中を勝手に調べられて…
大事な思い出も破られて…
ひどいよ…りょう。