もしも、私の背中に翼があったなら。(短編)
そんな私が
一緒にいて落ち着くことのできる、寂しさを包みこんでくれるような人に
出会ったのは
今から2年前のことだった。
彼の名は沢田りょう。
彼とは高校2年の時に
同じクラスになり知り合った。
1年の時から
カッコいい、ちょっと悪い系、女遊びが激しい
で、有名だった彼。
同じクラスになった時
正直、
極力関わりたくないな、と思った。
彼はいつも休み時間になると
仲間たちと廊下に座りこんで
ワイワイ騒いでいた。
同じクラスになって2ヶ月ほど経ったある日
新しいクラスにも慣れてきて
休み時間、私は新しくできた友達と仲良く話していた。
「ねえ、美沙ちゃん?」
後ろから男の人の声が聞こえて
私は振り返った。
『…?』
そこには沢田りょうが立っていた。