もしも、私の背中に翼があったなら。(短編)
りょうとは別れたくなかった。
私が初めて見つけた居場所だった。
ずっと一緒に居たかったんだよ、りょう。
でも、また昨日みたいになったら私はどんどんりょうを嫌いになってしまう。
りょうとの楽しかった思い出や、りょうがくれたたくさんのぬくもりが消えてしまわないうちに
終わりにしよう。
直接別れ話をしたら、きっとりょうはまた昨日のようになる。
卑怯かもしれないけど
こうするしかないんだ。
私は荷物をまとめて、置き手紙1枚で
りょうと別れるつもりだった。
家に着き、中に入ると
仕事に行っているはずのりょうがリビングで眠っていた。
一気に心臓が騒ぎだす。
もしかして
一晩中
私が帰ってくるのを待ってたの?