もしも、私の背中に翼があったなら。(短編)



どうしよう…



荷物を全部まとめていたら

りょうは起きてしまう。







私はりょうが起きないように、静かに最低限必要な物を鞄に詰め込んだ。









「美沙。」






飛び上がるほどびっくりして

後ろを振り返ると


りょうがすぐそこに立っていた。





「お前……何してんの?」






『…りょう…あのね、』



「昨日どこ行ってたんだよ、なあ!」





りょうは私が持っている鞄を床に投げつけた。



『りょう…話を聞いて。』




「話?俺は昨日どこ行ってたのかを聞いてんだよ。」




怖い


また殴られる






『りょうお願い!…………もう嫌なの。怖いの。お願いだから、別れてください。』





「別れる?何言ってんだよ!!!」





『きゃあ!!!!』






< 34 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop