もしも、私の背中に翼があったなら。(短編)
ぬくもり
少し落ち着いた私は、これから住む家を探さなきゃいけないことを考えていた。
なるべくインテリアショップに近い方が仕事に通いやすいけど
りょうとの家からあまり近くない方がいいと思った。
置いてきた残りの荷物はどうしよう。
やっぱりもうあの場所へは行けない。
捨ててもらうしかない。
でもりょうと連絡を取り合わない方がいい。
色々考えていたら
向井さんが話し出した。
「もし……高野さんが嫌じゃなければ、しばらくの間ここで一緒に住まないか?」
『えっ!?』
「家賃半分ずつ出しあってさ。」
『だめですよ!!向井さんにはただでさえ色々迷惑かけてるのに…ちゃんと自分で新しい部屋探します!』
何度も断る私を
向井さんは優しく抱き締めた。
「俺が……一緒にいたいんだ。」