もしも、私の背中に翼があったなら。(短編)
『向井さん…?』
突然のことに戸惑う私。
「俺なら絶対…高野さんを傷つけたりしない。大事にする。幸せにする。もう君を危険な場所へ行かしたくないんだ…。守りたい。」
抱き締められたまま耳元で聞こえる言葉…
向井さんはゆっくり身体を離すと、
しっかり私の目を見つめた。
「ごめん…。高野さんだってまだ辛いのにいきなりこんなこと言って。でも……今日だって高野さんのことが気になって心配で仕方がなかった…。」
こんなに近くに向井さんの顔がある。
なんだかすごく緊張して、私はうつむいてしまった。
「今すぐどうこうなんて言わない。今まで通りにしてくれたらいい。ただ…そばにいさせてくれないか?」
私は…
向井さんの真っ直ぐな思いに
ひかれてしまった