もしも、私の背中に翼があったなら。(短編)
誠実な向井さんを
私はどんどん好きになっていった。
人を好きになったのは人生で2度目。
だけど、私はまだ何も自分の気持ちを言ってないままだった。
りょうはまだあの家に住んでるんだろうな…
あれから何度もりょうから電話があった。
今でも頻繁に着信履歴がある。
ヒドイ時は1日40件を超えた。
でも………
私はもう歩き出してる。
りょう…
伝えたいことはたくさんあった。
話し合っておさまることならそうしたかった。
だけど、それができない状態だったでしょう?
私は逃げるしかなかったんだよ。
私はもうすぐ携帯を変えようと思う。
もうりょうとは繋がりのない世界へ行くの。
ごめんね。りょう。