もしも、私の背中に翼があったなら。(短編)
電話
次の日、私は携帯を変えに携帯ショップへ向かった。
向井さんは朝から仕事に出ていて、私は昼からだった。
最後にりょうにメールを送ろうか…
“私の荷物は捨ててください”って一言だけ…
迷っていると
携帯が鳴った。
“りょう”
びっくりして、
変な緊張がはしる。
あれからりょうの着信履歴は
少なくなっていっていた。
よりによってこのタイミングで
りょうからの電話。
携帯を変える前に
最後に、電話で伝えよう。
私は手に汗をかきながら通話ボタンを押した。
ずっとりょうからの連絡は無視していた。
りょうと話すのは
約3ヶ月ぶりだった。
『もしもし………』