もしも、私の背中に翼があったなら。(短編)
守りたいもの
その音に気付き
部屋に入ってきたりょうは
私よりも先に携帯を手に取った。
「あいつから電話だ。」
りょうは嫌そうな顔でそう言うと
携帯を私に渡した。
「いいな?別れるって言え。もう二度と会わないって。」
『え…?』
「俺があいつを殺してもいいのか?ちゃんと別れるって言えよ。」
手の中で鳴り続ける電話。
大好きな人からの電話なのに
こんなに悔しくて悲しくて
涙が出てしまう。
会いたいよ
帰りたい
でも巻き込みたくない。
あんなに良い人を…傷つけたくない………
あなたを守るためなら………