もしも、私の背中に翼があったなら。(短編)
私はりょうが目の前にいることを恐れながら電話に出た。
「あっ、もしもし?美沙ちゃん??今どこにいるの??今日…仕事来なかったからみんな心配してたんだよ。なんかあった??」
向井さんの優しい声に
涙が止まらない
「美沙ちゃん?具合でも悪いのか?今…どこ…??」
ごめんね
向井さん。
今すぐあなたの元へ飛んでいきたい
だけど
あなたを守りたい
『向井さん、私もう向井さんとは別れる。』
いやだ
別れたくない
「え…?美沙ちゃん……嘘だろ?なんかあったんだろ?なあ、どうしたんだよ?」
昨日結ばれたばかりの私たちが
普通、こんな会話しない。
向井さんだっておかしいと思ってる。
『もう嫌になったの。帰らないから!さよなら。』
「ちょっと待って!!あいつか??あいつに脅されてるんだろ!?」