もしも、私の背中に翼があったなら。(短編)
彼と付き合い出してから
最初は不安だらけだった。
またすぐに気が変わって元に戻ってしまうんじゃないか。
すぐに飽きてしまうんじゃないか。
でも、りょうは決して戻ることはなく、私を大事にしてくれた。
初めての彼氏。
初めて、恋人からもらう愛の温かさを知った。
誰かに愛されるってこういうことなんだ、と。
それから卒業するまでも
私とりょうは順調だった。
たまに喧嘩もあったけど
すぐに仲直りして
りょうはいつも私を愛してくれた。
卒業とともに
りょうと私は同棲を始めた。
小さな部屋だったけど
りょうは毎日、鉄工所で必死に働いて
私もインテリアショップの仕事を始めて
2人で貧しいながらも幸せな生活をしていた。
お金貯めて、
早く結婚したいねって…。