もしも、私の背中に翼があったなら。(短編)
りょうがいない昼間、外に出られない生活は
なんの面白みもなかった。
家の中で掃除や洗濯をして、
誰とも繋がりのない時間を過ごす。
夕飯の買い物行くときは、りょうに連絡してから行かなくてはいけない。
1時間以内に帰ってこないと、怒られる。
こんな生活が始まって1週間が経った。
小さなことで手をあげるりょうは変わっていなくて
私の身体にもまたいくつか傷が増えた。
掃除を終えて
窓から空を見る。
私がいるこの場所とは違って、空には笑っているかのように太陽が照っていた。
電線の上にとまり、
すぐに飛んでいった鳥。
向井さん、あなたは今どうしてる?
まだ私を心配してるかな。
嘘であっても
電話でいきなり、ヒドイ別れを告げた私を許してね。
会いたいよ