もしも、私の背中に翼があったなら。(短編)
やっと
本物の幸せを見つけた。
いや、
りょうとの恋愛も確かに本物だった。
りょうがいなかったら
向井さんとも出会っていなかったかもしれない。
寂しかった日々
愛を知った日々
傷ついた日々
全てを過去だと思える今でも私は思う。
空を自由に飛びまわる鳥を見て…
もしも、私の背中に翼があったなら、と。
もしも、私の背中に翼があったなら
私は迷わず
愛する人の元へ飛んでいく
寂しさも悲しさも忘れられる
幸せを見つけるために
何度生まれ変わっても
自分が行きたいと思う場所へ
迷わず飛んで行きたい。
大きな翼を広げて
たどり着いた場所は
きっと変わらぬ愛が満ち溢れているだろうから。
私は見つけたよ。
この幸せを。
もう手放したりなんかしない。
永遠に。
【完】