最後の恋って、なに？～Happy wedding？～

　凪の事はともかくとして、このまま茉莉愛ちゃんを野放しにして自由にさせすぎたら、この式場の《《質》》を問われる恐れがある。私はそれを懸念して再度、桐葉さんに相談してみる事に。

　しかし桐葉さんもお手上げ状態らしく・・・

「こっちがいくら注意したところで、桜林(あの女)の浮気癖は直らないだろうな。言うだけ無駄に思える。俺も手を打ってはみるが、諦める他ないかもしれない」
「そう……ですか」

　彼にも手に負えない難題だったみたいで、返事は芳(かんば)しくなかった。こうなると本当にこの件から手を引くしかなさそう。

「ところで。どうしてそこまであの女に拘るんだ？」
「別に拘っているわけではないですけど、このままだと他のお客様にも迷惑が掛かるかもしれないし放ってはおけないじゃないですか」
「……そうか」

　私の返答を聞きながらも納得していないのか、反応がイマイチに疑っている表情をしている。そういう事がすぐ顔に出るからわかりやすい人だ。

「何か言いたそうですね」

　スルーしようとも考えたけど、それもそれで気になってしまうから結局聞いてしまう。
　すると彼は『いや、そういう訳では……』と控えめに否定しながらも含みを込めて答える。

「別の人物のために何か対策を考えているのかと思ったんだ」
「別の人物？」
「例えば……元カレ、とかな」