最後の恋って、なに?~Happy wedding?~
6章:動き出した恋心

 翌朝、私はいつも通りに出勤。
 昨日あんな事があって体中は酷い筋肉痛のように痛むし貰った痛み止めは手放せないけれど、今日は大事な結婚式当日だからと体に鞭打って何事もなかったようにみんなに振る舞った。
 でもそれはスタッフ達にとっては逆効果だったみたい。
 私に気を使っているようで扱いに困っているのがわかるし、中には感受性が強いメンバーは昨日の出来事を思い出して青ざめていたりする。
 まぁ階段は”事故現場”だから仕方ない。

 それに桐葉さんからも……

「今日くらい休めば良かっただろ。別にお前1人がいないところで式は上手くまわるんだから」
「まるで私が不要みたいな言い方しないでくださいよ。来るなって言われるより傷つきます」

 本心なのかフォローしているのか知らないけれど、あいかわらず上司としてはキツイのは違いない。

 それと茉莉愛ちゃんの方はと言うと……
 今朝、休みたいという連絡が桐葉さんの元に入ったらしい。さすがに昨日の今日で気まずくなったのか、昨日の様子だと本当に怖くなってとてもじゃないけど仕事が出来る状態じゃなくなったのかはわからないけれど。

 最後に凪は1日、元気がなく見えた。
 昨日あれからどうなったかは式が始まって聞けなかったけれど、暗い表情をしているところを見ると結果はあまり良くないんだって察する。
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