ハートの確率♡その恋は突然やってきた
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 調べたところ、元彼の借金の総額は850万円弱あった。私が持っていた貯金で支払いできたのが150万円なので、残金700万円の返済をしいられることとなる。

 借金を返済するのに、毎日が必死だった。

 あるときは職場の友人とのランチや飲み会を断ったり、休日は1日1食にするという掟を作って、生活面で削れるところは徹底的に削り、大変な日々を過ごしているうちに、気がつけば1年が経っていた。

 昼間はOL業に励んで、仕事が終わったらかけ持ちしている出会い系サイトをチェックする。後腐れがない羽振りの良さそうな男とやり取りを交わして、その人柄をしっかりと確認したのちに、直接逢うことを日課にした。

 そのやり取りは某アプリが主だった。

 出会い系サイトを1年以上アレコレかけ持ちして分かったことは、管理人がしっかりしてるところは、利用しているユーザーも、それなりに大丈夫な人が多い。

 そして世の中、いろんな趣味を持つ男がたくさんいる。

 ぱっと見は真面目そうな人ほど、アブノーマルな趣味をしている率が高かったりする。だからこそ売りをやるにあたって、条件は一応提示した。

※条件はゴムありでホ代(ホテル代)とは別に2.5(2万5千円)でお願いします。

 という感じ。しっかりと条件を出してる以上は、こちら側のリスクがあるのは当たり前なんだよね。

 プロフに自写メを載せて、スリーサイズも偽りなく記載する。相手と逢ったときに必ずといっていいほど、体形をジロジロ見られて確認される。

『プロフと違うじゃないですか、詐欺だ!』

 なぁんて言われた挙句に、逢っただけで帰られたら困ってしまう。自分の躰と引き換えに平穏な生活を手に入れるべく、お金を払ってもらわないといけない。

 他にも注意しなきゃならないのは、性病を持っていたり、条件を一切飲まずにいきなり襲ってくる男。か弱い女性から金品の強奪を目的として、サイトを利用している輩も実際いらっしゃる。

 そんなアブナイ人たちに対処すべく、護身用にと手作りの催涙スプレーを持ち歩いているのだけれど、実は所持すること自体が軽犯罪法違反になってしまうという、悲しみの事実があるんだ。

 だけど自分の身を守るために、ゴムと一緒に枕元に忍ばせて用心した。

 こうして危ない橋を渡り歩き、必死に稼いで残りはあと50万円弱になったときに、その男に出逢った。
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