ハートの確率♡その恋は突然やってきた
第2章:感じるキモチ
いつものように受付を済ませるべく、会計をケンジさんにしてもらってから、私が選んだ部屋に入る。隣にいる彼の表情を窺うと真っ赤な顔をキープしたまま、忙しなく視線を彷徨わせていた。
慣れないことをしようとしているんだから、当然なのかな――。
場慣れしてしまった自分と比較して、コッソリと落ち込んでしまう。ヤり慣れてしまったと言ってもいいのだけれど、本当はケンジさんのような初々しさを、どこかで醸し出せたらいいのにね……。
選んだ部屋は、大きなベッドが部屋の中央に置かれているというスタンダードなものなれど、白を基調とした部屋だから、必然的に清潔感を保つには難しい部屋だった。
ゆえに清掃がよく行き届いている理由で、この部屋をよく利用していたりする。
「ケンジさんが先にシャワー浴びる? それとも一緒に入ろうか?」
ちなみに通常の場合は、一緒にお風呂に入ることはオプション扱いで、プラス五千円を頂いている。お風呂でサービスする際は勿論、オプションをつけさせてもらうのは当たり前なんだ。
なのでいつもなら事前に上手く交渉して、先払いという形でお金をせしめてから一緒にお風呂に入るんだけど、ケンジさんはオプションなしにするつもりだった。
彼から確実にお金を頂くべく、いろんなサービスをみずからしてあげようという考えがあったから。
「いっ!? 一緒にお風呂なんてとんでもない。恥かしいですって」
(これからHなことをしようとここに来ているのに、恥かしいなんてちょっと変わってるかも)
ケンジさんは激しく首を横に振って、無理ですを連呼した。そこまでされたら、無理強いすることなんてできない。
「じゃあ寂しいけど別々に入るね。ケンジさん、お先にどうぞ!」
バスルームに案内するように右腕を引っ張ったら、コクコク頷きながらついて来る。「時間の制限があるから手早くね」と一声添えて、脱衣所に放置した。
彼が洋服を脱いでる間に、自分のバックからゴムと護身用の催涙スプレーを取り出して、大きなベッドの枕の下に忍ばせる。
もし身の危険を感じるような何かがあった場合、対処するために催涙スプレーをいつも持ち歩くのは必須で、見た目が普通に見える人ほど、危ないことをしたがるのが、本当に厄介だったりする。
私をキツく縛り上げて拘束した上に、カッターを使って肌にキズを付けて、もっと痛い行為をしようとしたお客さんには、迷うことなく股間を蹴り上げてから、思いっきり催涙スプレーをお見舞いしてあげた。
他にも、大事なトコロにそんなモノなんて挿れないわよというシロモノを、無理やり突っ込もうとしたお客さんがいて、恐怖に震えた経験をしたし、マジもんのSMプレイで使う道具を出してきて、私に女王様になってくれと涙ながらに頼んだ人がいた。
だけどそれは楽しそうだったから、あえて断らなかった。
(ケンジさんはちょっと危ないストーカー野郎だけど、枕に忍ばせた防御グッズを使う必要はないと思いたい――)
静かだからこそ聞こえてくるシャワーの水音を聞きながら、ぼんやりと考え事をしてしまう。
自分の身の安全を考える私と違って、彼の心中はこれから行われるコトで胸がいっぱいになっているだろうな。ノーマルな行為を望んでいる私の気持ちを打ち砕くような、何かアブナイことを考えていたりして。
お互いの名前を口にした途端に、それまでの態度が一変したのが、どうにも気になった。そういうちょっとした変化から、自分なりに危険度を察知しているのだけれど――。
慣れないことをしようとしているんだから、当然なのかな――。
場慣れしてしまった自分と比較して、コッソリと落ち込んでしまう。ヤり慣れてしまったと言ってもいいのだけれど、本当はケンジさんのような初々しさを、どこかで醸し出せたらいいのにね……。
選んだ部屋は、大きなベッドが部屋の中央に置かれているというスタンダードなものなれど、白を基調とした部屋だから、必然的に清潔感を保つには難しい部屋だった。
ゆえに清掃がよく行き届いている理由で、この部屋をよく利用していたりする。
「ケンジさんが先にシャワー浴びる? それとも一緒に入ろうか?」
ちなみに通常の場合は、一緒にお風呂に入ることはオプション扱いで、プラス五千円を頂いている。お風呂でサービスする際は勿論、オプションをつけさせてもらうのは当たり前なんだ。
なのでいつもなら事前に上手く交渉して、先払いという形でお金をせしめてから一緒にお風呂に入るんだけど、ケンジさんはオプションなしにするつもりだった。
彼から確実にお金を頂くべく、いろんなサービスをみずからしてあげようという考えがあったから。
「いっ!? 一緒にお風呂なんてとんでもない。恥かしいですって」
(これからHなことをしようとここに来ているのに、恥かしいなんてちょっと変わってるかも)
ケンジさんは激しく首を横に振って、無理ですを連呼した。そこまでされたら、無理強いすることなんてできない。
「じゃあ寂しいけど別々に入るね。ケンジさん、お先にどうぞ!」
バスルームに案内するように右腕を引っ張ったら、コクコク頷きながらついて来る。「時間の制限があるから手早くね」と一声添えて、脱衣所に放置した。
彼が洋服を脱いでる間に、自分のバックからゴムと護身用の催涙スプレーを取り出して、大きなベッドの枕の下に忍ばせる。
もし身の危険を感じるような何かがあった場合、対処するために催涙スプレーをいつも持ち歩くのは必須で、見た目が普通に見える人ほど、危ないことをしたがるのが、本当に厄介だったりする。
私をキツく縛り上げて拘束した上に、カッターを使って肌にキズを付けて、もっと痛い行為をしようとしたお客さんには、迷うことなく股間を蹴り上げてから、思いっきり催涙スプレーをお見舞いしてあげた。
他にも、大事なトコロにそんなモノなんて挿れないわよというシロモノを、無理やり突っ込もうとしたお客さんがいて、恐怖に震えた経験をしたし、マジもんのSMプレイで使う道具を出してきて、私に女王様になってくれと涙ながらに頼んだ人がいた。
だけどそれは楽しそうだったから、あえて断らなかった。
(ケンジさんはちょっと危ないストーカー野郎だけど、枕に忍ばせた防御グッズを使う必要はないと思いたい――)
静かだからこそ聞こえてくるシャワーの水音を聞きながら、ぼんやりと考え事をしてしまう。
自分の身の安全を考える私と違って、彼の心中はこれから行われるコトで胸がいっぱいになっているだろうな。ノーマルな行為を望んでいる私の気持ちを打ち砕くような、何かアブナイことを考えていたりして。
お互いの名前を口にした途端に、それまでの態度が一変したのが、どうにも気になった。そういうちょっとした変化から、自分なりに危険度を察知しているのだけれど――。