優しい風
運命の日。

私は自宅で冬休みの宿題を
片付けようとしていたけれど、
愁が気になって仕方がない。

側にすぐ行きたいけれど、
ママにきつく言われている。

すると、携帯に
電話がかかって来た。

私は動きを止め体を緊張させた。

嫌な予感がする。

相手は美咲ちゃんだった。

「…もしもし。」

『…杏ちゃん!
私、愁の母親です。
今すぐ、病院に来て欲しいの。
愁があなたを呼んでるから。』

「はい、今行きます。」

私は電話を切って家を出て、
自転車をこれでもかっていう
猛スピードで漕いだ。
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