優しい風
看護師さんが時間です、
と言ったけど愁は無視して続けた。

「お前なら…
きっと出来るから…
ちゃんと見てる…から…」

私の顔は涙でぐしゃぐしゃだった。

「泣くな…あん…ず…。」

その時。

『ピーーーーーーーーーー』

無情にも、機械の音が鳴り響いた。

「愁ーーーーーーっ!!!!!!」

私はその場に崩れ落ちて泣いた。

そこから覚えていない。
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