優しい風
母さんは、ふう…と
溜め息をついてこう言った。

「解った。
行くのは良いわよ。
ただし、解ってると思うけど
体調はきちんと整えてね。
具合が悪いときは休むこと。
これ鉄則。
薬はちゃんと持って行ってね。
美咲、あんた同じ学年なんだから、
ちゃんと様子見てなきゃダメよ?」

「はぁーい。」

「母さん…ありがとう。」

「あなたのしたいように
すればいいわ。
気をつけて行ってきなさい。」

「うん。暁兄も、ありがと。」

「いんや、
弟の為なら、って奴だよ。」

暁兄は照れくさそうに
笑いながらそう言った。
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