優しい風
「…愁。ありがとう。
私、ママに言ってみる。
私が行きたいトコ。
愁がこう言ってくれなかったら、
私ずっと気付けずにいたよ。」

「…無理したらダメだけどな。
杏の学力で行けるトコ目指して。
もちろん、勉強するなって
言ってるわけじゃないけど。」

「うん…。」

「行きたいトコあるんだろ?
それ、母親に言って来い。」

「解った。」

「闘って来い。負けんなよ。」

「うん、ありがとね。愁。」

俺は頷いた。

杏は帰っていった。
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