優しい風
運命
この章は、私、
高橋杏の視点で話をしたい。

最近の愁は体調が良くない。

だけど私がお見舞いに行くと、
辛いくせに必ず笑うんだ。

ずるいよ。

もっと甘えて欲しい。

頼って欲しい。

辛さを訴えて欲しいのに、
愁はそれをしない。

いつも笑ってる。

顔色はめちゃくちゃ悪いのに、
私の姿を見ると笑おうとする。

私には、見ているのが辛いよ、愁。
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