蒼、俺の事だよ。何か?
「オツカレー」








「もう元気になったのかよ。」














「お前本当に蒼ちゃんのこと好きだよな。」


答えねえのかよ、まどうせ仮病だろ。






龍はプレッシャーが強くなると体調が悪いと言っている、ほんとかは謎だ。















「ああ。」












「みとめるんだ」






「悪いかよ。今日行ってみて思った。」




「離したくないって。」







「俺のそばで笑っていて俺の前で笑ってほしい。」
















「笑って、ばっかりだな。」龍の目が悪戯っぽく光る。










「もうよくわかんなくなってすごく怖い。」




俺は自然と思ったことありのままを伝える。









「それが恋ってもんだよ。」








知ってるかの物言いに




「うるさい。」








またいつもの調子が戻ってくる。それはこいつ(龍)のせいだ。















「なんだよ、元に戻って生意気なガキンチョじゃないか!

蒼ちゃんに嫌われるぞー!」













!!……音がした。見に行き、ポストに投函された一枚の手紙を見つける。






「美雪からだ。」







「蒼を呼べ?そんなの直接自分で……」




「ピーンポーン♪」


「みゆちゃんだー今開けるよー!!」






胡散臭い。嫌な予感がする。





「蒼がこんな奴の……考えたくない。」


俺はこいつが嫌いだ。












友達にも愛嬌振りまいてハラハラする。












「葵の彼女でーす。」「は!?」


「……。」




「いいなー!」





浦山ピーマン!








辛い時でもおどけるのはこいつ(蒼)の悪い癖だと思う。





明らかに傷ついた顔して何で笑うんだよ。












俺がずっと笑っててほしいと思ったのはこんな作り笑い、偽物の笑顔じゃない。




「葵のいいとこゲームしよー!」「お前なに言って……」



「いいよ!」「おい!」




蒼は何を考えているんだ?こんな戯言に興味を示す女だとは思ってなかった。女、だと思ってることも今じゃ懐かしい。






今俺は美雪と知り合いだったことを後悔している。






俺は今なぜかこいつら(おそらく龍も)にはめられている。






「チャームポイントは?」「……。」





チャームポイントってなんだよ。俺そんなの知らねえぞ。







「口の悪さ。」「優しいところ!」


……間違えた!慌てて蒼が全身で質問に対して不服を訴える。










でも、間違ってないと思うのは気のせいか?







「ずるい一個だけよ」

「一個なんて無理だよ。葵にはいいとこいっぱいあるもん。」





何でそこ切り取って主張するかな。……嬉しいじゃん。








「何張り合ってんだよ。」

口から出たのは俺を知ってる蒼には、ありきたりな。


特別なことなんて言えないけれど、俺はこの口の悪さを守ることにする。
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