好きって言ったら悪いかよ?
それから、昂輝とそのまま一緒にそれぞれの家まで帰った。
そして、翌朝。
お母さんに頼まれて、わたしが新聞の朝刊を取りに行くと、家のポストの中には昨日なくしたはずの猫のキーホルダーが入っていた。
『えっ、これ……』
わたしは、猫のキーホルダーを裏返し確認する。
前に一度、誤って落としてできてしまった傷の位置も一緒だし。
これは、間違いなくわたしのキーホルダーだ。
ああ、良かった。無事に、戻って来たんだ!
わたしは、猫のキーホルダーをそっと胸に当てる。
でも、一体誰が……?
誰が見つけて、親切に家まで届けてくれたの?
そのあと朝食を食べて、いつも通り学校へ行くと。
昂輝はこの日、体調不良で欠席だった。
昨日は変わらず元気だったのに、どうしたんだろう? 大丈夫かな?
彼のことを心配に思いながら、迎えた放課後。
担任の先生から渡すように頼まれた宿題のプリントを持って、わたしは近所の昂輝の家を訪ねた。
『あら、陽和ちゃん。わざわざ来てくれてありがとう。もう、あの子ったら昨日ね……』
玄関先で、昂輝のお母さんがわたしにこっそり教えてくれた。