好きって言ったら悪いかよ?
『あの子昨日、全然水分も摂らずに、暑い中何時間もずーっと外で、探し物をしていたみたいなの。それで、熱中症になってしまってね』
『えっ!?』
わたしは思わず、目を見開く。
探し物って、まさか……。
昂輝は、昨日あれからわたしと一緒に一度家に帰ったはずなのに。
そのあと、わたしのキーホルダーをひとりでずっと探してくれてたの?
『もう。バカなのは、どっちよ。自分じゃなく人のために、そこまでして……』
わたしは、ひとり呟く。
まさか、熱中症になるまで長い間ずっと、キーホルダーを探してくれていたなんて。
全然知らなかった。
『わたしのせいで、ごめんね?』
今は眠っているという昂輝に、お礼を言っておいて欲しいとおばさんにお願いし、わたしは昂輝の家をあとにした。
──それから翌日。
体調が良くなり登校してきた昂輝に、わたしは真っ先に声をかける。
『昂輝。キーホルダー、見つけてくれてありがとう』
『え? キーホルダー? なんのこと? ていうか、見つけたの俺じゃねぇし』
昂輝は、素知らぬ顔をする。
『でも……』