好きって言ったら悪いかよ?
「……まじ? 俺、ずっと陽和に嫌われてるって思ってたから」
「なんで? わたし、昂輝を嫌いになったことなんて、今まで一度もないよ」
「そっか。良かった」
ふわりと微笑んで、昂輝がこつんとわたしに額を重ねる。
「ありがとう、陽和。大好きだよ」
「うん、わたしも。昂輝が大好き」
昂輝がわたしを、正面からぎゅーっと強く抱きしめる。
「昂輝。そんなにぎゅっとしたら、暑い」
「良いだろ? 俺は、陽和とくっつきたいんだよ」
「ふふっ……」
そんなふうに言ってくれる昂輝が、なんだかとても愛おしい。
この人と、これからもずっと仲良く一緒にいられますように。
夕空の下。
そう願いながら、わたしは大好きな人をそっと抱きしめ返した。
【END】