好きって言ったら悪いかよ?



ああ、ついに昂輝に短冊を見られてしまった。それだけは、なんとしても避けたかったのに。


わたしは、顔を片手でおさえる。


「なぁ、ひよこ。アイツって誰だ!?」


誰だ!? って、物凄い剣幕で聞かれても困るんだけど。


教室には他のクラスメイトもいるし、そんなのここで言えるわけないじゃない! 


今ここで昂輝だって言ったら、公開告白になってしまう。


「こっ、昂輝にだけは教えてあげない。もし他の皆に言いふらされたりしたら、いやだもん」


「あっそ。つーか、今まで考えたことなかったけど。お前、好きなヤツいたんだ……ムカつく」


昂輝は、わたしの短冊を睨みつける。


「ひよこのくせに、恋愛なんて生意気」



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