好きって言ったら悪いかよ?
「べっ、別に良いでしょ!? わたしが恋したって。昂輝には関係ないじゃん」
「はぁ? 関係あるし……これ、ほんと気にいらねぇ」
ボソっと呟いた昂輝は、わたしの短冊を指先でつまむように持つ。
「え、ちょっと昂輝!? 何する……って、あああっ!」
ありえないことに、昂輝はわたしの短冊をビリビリッと破いてしまった。
「ひよこのこんな願い事なんて、叶わなくて良いんだよっ!」
ビリビリに破かれた短冊が、天井めがけて思いきり投げられ、紙吹雪のようにひらひらと宙を舞う。
昂輝は全く悪びれる様子もなく、さっさと自分の席へと戻って行ってしまった。
「うそ。ひどいよ、昂輝……」
わたしは教室の床にガクンと膝をつき、床に落ちた黄色い紙の欠片を拾う。