エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
「まぁ、真面目な静馬のことだ。すべて解決するまでは彼女に想いを告げたりしないだろうけど。……だけど紅葉様を紹介してもらえる日を心待ちにしているよ」

 そんな日など来るのだろうか。そもそも紅葉様が俺を受け入れてくれるとは思えない。

 俺は身分を隠し、真相を探るためとはいえ、紅葉様を利用しているんだ。事実を知ったらどう思われるか……。

 だから絶対に紅葉様に知られることなく彼女のことを守り、そして事件を解決してみせる。……そして叶うのならば、すべてが解決したら自分の想いを伝えたい。

 きっと円城守を立件することができれば、あいつの会社も窮地に立たされるだろう。紅葉様と円城久次の結婚話もなくなるはず。

 そうしたら兄の言う通り、紅葉様を俺が奪ってもいいだろうか。

 そんな欲望が浮かんだが、すぐに頭の中から消した。今はただ、父を殺害した犯人の疑いがある円城守を、まずは脱税の容疑で捕まえるために尽力するべきだと。
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