エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
 ただ紅葉様の反応を窺うことしかできずにいる中、卓也が切り出した。

「事情をお話しした通り、捜査は手詰まり状態なんです。円城守が静馬の父親を殺害した可能性は高いですが、すべて状況証拠で一度は被疑者死亡のまま送検されてしまっている事件のため、立件は難しいでしょう。脱税に関しても確固たる証拠がないためどうすることできずで……」

 そう前置きをして、卓也は真っ直ぐに紅葉様を見つめた。

「突然こんな話を聞かされて混乱されていると思います。そんな中こんなお願いをするのは心苦しいのですが、捜査に協力していただけないでしょうか?」

「おい、卓也……!」

 なにを言い出すかと思えば……っ! 俺は紅葉様を巻き込むつもりはないと言ってあったのに。

 案の定、紅葉様は困惑された様子で俺たちを見ている。

「もちろん危ないことをお願いするつもりはございません。ただ、証拠を集めるのを手伝ってほしいんです。お願いします、協力していただけませんでしょうか?」
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