エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい～すべてをかけて君を愛し抜く～

「いいえ、無理はしていません。紅葉たちは家族だからつらいんじゃないかって心配してくれているのかもしれないけど、逆に家族だからこそ協力したいの。お父さんにもお兄ちゃんにも罪を償って、また人生をやり直してほしい」

「由香里……」

　彼女の瞳からは迷いは感じられない。それにしっかりと現実を受け止めているようだ。

　それを感じ取ったのか、ずっと静観していた木嶋さんが口を開いた。

「わかりました。では由香里様にもご協力いただきましょう。私たちにとっては心強いです」

「はい、ぜひ！」

　パッと目を輝かせる由香里に対し、木嶋さんは「ただし」と言って話を続けた。

「紅葉様もですが、私たちの指示以外の言動は決してなされないようにお願いします。おふたりを危険に遭わせてまでご協力いただくわけにはいきませんから。これだけはお守りください」

　その言葉から、私たちの安全を最優先にしてくれている木嶋さんの優しさが伝わってくる。

「もちろんです」

「はい、気をつけます」

　私と由香里の話を聞き、木嶋さんはホッとした顔を見せた。