エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
『私のSP』
 私の朝は早い。いつも五時半には起きて母の慰霊に挨拶をし、それから高齢の大家さんに代わってアパートの花壇の花に水やりをするんだけれど……。

「おはようございます。お変わりはないですか?」

「は、はい。今日もご苦労様です」

 木嶋さんが私の護衛について三日経ったが、いまだに慣れないでいた。

 四月も下旬に入り、綺麗に咲いているチューリップやネモフィラもそろそろ終わりを迎える頃。

 こうして咲いているところを見られるのもあと何日だろうと考えながらも、気になるのは背後から感じる彼の気配。

 木嶋さんがやって来た日の夜に、久次さんに連絡をして確認したところ、円城家が正式に雇ったSPだった。

 どうやら久次さんも詳しい理由は聞かされていないようだったけれど、彼の父が仕事柄なにかと恨まれることが多く安全面を考慮して雇ったようだ。

 身内が誘拐されて脅迫されたり身代金を要求されたり可能性もあるとして、私や結婚して家を出た由香里にも配置されたらしい。

 昨日由香里から聞いた話によると、彼の父には五人、久次さんには三人のSPがついているとか。
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