エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
 しかし今日は父の病院に行って洗濯物を預かりに行かなくてはいけないし、冷蔵庫の中も寂しくなってきたからスーパーにも行きたい。

 だけどその間、木嶋さんがずっとそばにいると思うと申し訳ないというか、気まずいというか……。複雑だ。

 食べ終わったら片づけをして、家の家事をしながら出かける準備に取りかかる。そうこうしている間に時間はあっという間に過ぎていき、気づけば十時になろうとしていた。

「そろそろ出ないと」

 病院の面会時間は十時から十八時までだけど、今日は午後から父は検査があると言っていたから午前中に行かなければいけない。

 最後に戸締りを確認して玄関のドアを開けると、すぐに木嶋さんが気づいた。

「本日は外出されますか?」

「はい、何カ所か回りたいのですが大丈夫ですか?」

「もちろんです。私は数歩後ろからついていきます」

「わかりました」

 鍵を閉めて歩き出すと、言葉通り彼は私の後ろについてきているのがわかる。私を気遣ってくれているのだとわかってはいるけれど、さっきからすれ違う人の視線が痛い。
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