エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい～すべてをかけて君を愛し抜く～

　事件の話を聞いてから、ずっと殺害された静馬さんの父のことばかり考えていた。でも被害者は静馬さんたちだけではなかったんだ。

　殺人者として自殺した男性とその家族だって被害者だ。

「言っておくけど、証拠はこれだけじゃないからな。父さんがお前に処理を頼まれた犯行に使われた凶器もきれいに保存してくれていたんだ。これでもう言い逃れられないぞ！」

　決定的な一言に、一気に会場内にはどよめきが起こる。

「なに勝手なことを言って……！　皆さん、この男の言うことはすべてでたらめです。私が人を殺めるはずがないでしょう。おい、お前たち！　SPならSPらしく早く私の気分を害するこの男を確保しろ！」

　円城守に言われたSPたちも戸惑い、身動きがとれない様子。それもそのはず、状況的に考えて確保するべきは円城守だ。