エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
私より八歳年上の三十歳になる久次さんは、身長一七三センチほどのやせ型。薄ブラウンの少し長めの髪から見える釣り目は、いつも私にきつい印象を与えていた。その目で見つめられただけで、睨まれている気がするから。
彼の父が起業した美容家電が大ヒットし、今では国内でも指折りの美容家電会社の次期社長だ。
そんな彼と婚約関係となったのには、ある理由がある。それは私の家が公家の末裔だから。
公家とは日本において、朝廷に仕える貴族・上級宮人の総称のことをいい、私のご先祖様はとても裕福な暮らしをされてきた。
しかし祖父の代で滑落してしまい、質素な暮らしを続けてきた。それでも優しい両親と三人で幸せに暮らしてきた。
だけどその幸せは長くは続かなかった。私が高校二年生のときに母が病気で倒れてしまい、その治療費のために父が多くの借金を背負うこととなった。
よりいっそう暮らしは厳しくなったけれど、母が元気になることを信じて父は仕事に精進し、私も学校が終わったらバイトをして少しでも家計の助けになればと尽力した。
しかし私と父の願いも虚しく、私の二十歳の誕生日を待っていたかのように、その数日後に私たちに見守られて旅立った。
彼の父が起業した美容家電が大ヒットし、今では国内でも指折りの美容家電会社の次期社長だ。
そんな彼と婚約関係となったのには、ある理由がある。それは私の家が公家の末裔だから。
公家とは日本において、朝廷に仕える貴族・上級宮人の総称のことをいい、私のご先祖様はとても裕福な暮らしをされてきた。
しかし祖父の代で滑落してしまい、質素な暮らしを続けてきた。それでも優しい両親と三人で幸せに暮らしてきた。
だけどその幸せは長くは続かなかった。私が高校二年生のときに母が病気で倒れてしまい、その治療費のために父が多くの借金を背負うこととなった。
よりいっそう暮らしは厳しくなったけれど、母が元気になることを信じて父は仕事に精進し、私も学校が終わったらバイトをして少しでも家計の助けになればと尽力した。
しかし私と父の願いも虚しく、私の二十歳の誕生日を待っていたかのように、その数日後に私たちに見守られて旅立った。