エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
「もう! 恍けないの! こうして私を呼びだして打ち明けるほど木嶋さんに惹かれているんでしょ?」

「それはっ……!」

 事実だから言葉が続かない。いや、あんなに素敵な人に好意を寄せないほうがおかしいと思う。

「紅葉は不埒だって言っていたけど、私はいいと思うな。だってお兄ちゃんとはまだ婚約段階で結婚しているわけじゃないし! もちろん様々な事情があって簡単なことではないと思うけど、人生は一度きりだもん。なにがあっても紅葉には幸せになってほしい」

「由香里……」

 本当に由香里は私の気持ちに寄り添ってくれる。

「お兄ちゃんと結婚しちゃったら、告白さえもできなくなるんだよ? 紅葉にとって初恋なんでしょ? だったらなおさら後悔してほしくないし、素直になってほしい」

「うん……ありがとう」

 笑顔を見ただけで胸が苦しくなるのも、どんな私も肯定してくれて嬉しく思うのも、彼と過ごす時間が心地よく感じたのも全部が初めての経験だった。

 きっと……ううん、絶対にこれが恋なんだと思う。できるなら由香里の言うように後悔したくない。報われなくてもいいから好きって気持ちを伝えたいよ。
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