忘れさせ屋のドロップス
★
「見な、いで……ンッ……だ、め……」
頭が真っ白になる直前で、遥は指先をそっと抜き出すと、意地悪く笑って私の唇にキスを落とした。
「ちゃんと今日は起きてろよ」
「いじ……わる」
呼吸が浅く、うまく返事できない私を見ながら、遥が口角をあげた。
そして私の頬に触れると、遥は急に真剣な顔をした。
「……もう何処にも行くなよ」
薄茶色の瞳が私だけを映し出す。その瞳にずっと私だけを映して欲しいの。私だけを見て欲しいの。
「遥……離さないで」
私たちは、深くゆっくりと何度も口づけを交わしながら、互いの熱を伝染させていく。
気づいたら溢れていた涙を遥が掬いながら、ゆっくりと互いの心を包むように、私を労わりながら、優しく確かめるように入ってくる。
「有桜」
何度も何度も名前を呼ばれて、意識が浮いたり沈んだりしながら、遥とひとつに混ざり合っていく。
寂しいを分け合いながら奥深くで繋がっていく。遥の心の一番近くで、寄り添えた気がして幸せだった。
あんなに怖かった夜なのに、もう朝が来なくたって構わない。
ひとりぼっちで泣いていた心は、溶けて混ざって満たされて、遥が居ればもう何もいらなかった。
ーーーーいっそこのまま時がとまればいい程に。
「見な、いで……ンッ……だ、め……」
頭が真っ白になる直前で、遥は指先をそっと抜き出すと、意地悪く笑って私の唇にキスを落とした。
「ちゃんと今日は起きてろよ」
「いじ……わる」
呼吸が浅く、うまく返事できない私を見ながら、遥が口角をあげた。
そして私の頬に触れると、遥は急に真剣な顔をした。
「……もう何処にも行くなよ」
薄茶色の瞳が私だけを映し出す。その瞳にずっと私だけを映して欲しいの。私だけを見て欲しいの。
「遥……離さないで」
私たちは、深くゆっくりと何度も口づけを交わしながら、互いの熱を伝染させていく。
気づいたら溢れていた涙を遥が掬いながら、ゆっくりと互いの心を包むように、私を労わりながら、優しく確かめるように入ってくる。
「有桜」
何度も何度も名前を呼ばれて、意識が浮いたり沈んだりしながら、遥とひとつに混ざり合っていく。
寂しいを分け合いながら奥深くで繋がっていく。遥の心の一番近くで、寄り添えた気がして幸せだった。
あんなに怖かった夜なのに、もう朝が来なくたって構わない。
ひとりぼっちで泣いていた心は、溶けて混ざって満たされて、遥が居ればもう何もいらなかった。
ーーーーいっそこのまま時がとまればいい程に。