忘れさせ屋のドロップス
「仲直り、できた?」
朝の事だ。私が泣いて、遥が怒って。だから仕事帰りに疲れているのに、私を見に渚さんは来てくれたんだ。
「あ、仲直りというか、遥、全然気にしてなくて……逆に気を遣ってもらって……遥の時間をもらって何だか」
「申し訳ない、なんて思わないでよね。遥、本当に有桜ちゃんと住むのが嫌だったら、とっくにアタシん家に送り返してきてるから」
モノ扱いしてごめん、と言いながら、あははと笑った。
「遥も変わりたいんだと思うし、そう信じたい、かな。ありがとね。有桜ちゃんに、遥のお守りお願いして、良かったと思ってる」
「そんな、私は何にもできてなくて……遥に、迷惑かけてばっかりだし、面倒見てもらうばかりで」
「これはアタシのただの勘なんだけどね、遥は有桜ちゃんに《《救われる》》んじゃないかなってね」
コーヒーカップから思わず視線を渚さんに向けた。
「そ、そんなこと……」
むしろ、救われているのは私の方だ。
「君らは似た者同士だからね」
渚さんが耳に髪をかけ直して、人差し指を立ててにこりと笑った。
その時、スマホがメッセージの受信を告げる。
ちらりとそのメッセージを確認すると、渚さんが大きなため息をついた。
「遥から。ここに秋介きたんだ?」
「あ、はい……」
「何か言ってた?秋介」
「連絡が欲しいって、会いたいって、言ってました」
はぁぁぁぁっと更に深くため息を溢すとスプリングコートを羽織った。
「遥、いまから帰るってさ。……アタシも少し考えなきゃね。ご馳走様」
渚さんは、私の頭を撫でると部屋を後にした。
朝の事だ。私が泣いて、遥が怒って。だから仕事帰りに疲れているのに、私を見に渚さんは来てくれたんだ。
「あ、仲直りというか、遥、全然気にしてなくて……逆に気を遣ってもらって……遥の時間をもらって何だか」
「申し訳ない、なんて思わないでよね。遥、本当に有桜ちゃんと住むのが嫌だったら、とっくにアタシん家に送り返してきてるから」
モノ扱いしてごめん、と言いながら、あははと笑った。
「遥も変わりたいんだと思うし、そう信じたい、かな。ありがとね。有桜ちゃんに、遥のお守りお願いして、良かったと思ってる」
「そんな、私は何にもできてなくて……遥に、迷惑かけてばっかりだし、面倒見てもらうばかりで」
「これはアタシのただの勘なんだけどね、遥は有桜ちゃんに《《救われる》》んじゃないかなってね」
コーヒーカップから思わず視線を渚さんに向けた。
「そ、そんなこと……」
むしろ、救われているのは私の方だ。
「君らは似た者同士だからね」
渚さんが耳に髪をかけ直して、人差し指を立ててにこりと笑った。
その時、スマホがメッセージの受信を告げる。
ちらりとそのメッセージを確認すると、渚さんが大きなため息をついた。
「遥から。ここに秋介きたんだ?」
「あ、はい……」
「何か言ってた?秋介」
「連絡が欲しいって、会いたいって、言ってました」
はぁぁぁぁっと更に深くため息を溢すとスプリングコートを羽織った。
「遥、いまから帰るってさ。……アタシも少し考えなきゃね。ご馳走様」
渚さんは、私の頭を撫でると部屋を後にした。