忘れさせ屋のドロップス
「で?どうして有桜ちゃんは此処に来たのかな?」
黒いタイトワンピースの大きく開いたスリットから綺麗な真っ白な太腿が露わになるのも気にも留めずに、佐藤渚が長い足を組みながら、私をじっと見つめた。
うまく話せるだろうか。唇を噛み締める。
「大丈夫、ちゃんと聞くから」
黒い綺麗な瞳は私を安心させるように頷いた。
「……あ、あの。私、家出……してきて。家を忘れたくて……、その、どこにも行くところなくて」
「あぁ、なるほど。そっちね」
パチンと指を鳴らすと、佐藤渚がオレンジ色の唇を持ち上げた。
「いーじゃん。遥、しばらく此処に住まわせてやんなよ」
「は?」
「え?」
私と佐藤遥の声が重なった。
「何でだよ!ありえねーだろ。見ず知らずのヤツと暮らすなんて!」
「見ず知らずって……アンタがそれ言う?」
「うるせーな」
「探してただろ?女抱くこと以外の面倒な依頼に対応してくれる可愛い受付嬢」
にやりと笑うと、コツンとピンヒールの爪先で佐藤遥の脛を蹴る。
「痛って!イチイチ暴力振るうなよな。そもそも姉貴はいいよな、此処に住んでねーんだから!大体な、俺は未成年略取で犯罪者になるのはごめんだからな!」
(え?此処に佐藤渚さんは住んでない?)
「あ、確かにな、未成年はさすがに……って有桜ちゃん何歳?」
「あ、十八歳……です」
「げっ!」
「あ、高校卒業したばっかなんだ」
私はこくんと頷いた。
「いいね!問題なし!衣食住付き、遥付き。お給料はちゃんとアタシが現金支給してあげる」
「……あ、あの、私……いいんですか?」
(は、はるか付き……知らない男の人と……どうしよう。……でも他に行くところなんて、私にはどこにもない……)
「勿論!採用決定」
私の顔をまじまじと見ながら、佐藤渚が再度パチンと指を鳴らした。
黒いタイトワンピースの大きく開いたスリットから綺麗な真っ白な太腿が露わになるのも気にも留めずに、佐藤渚が長い足を組みながら、私をじっと見つめた。
うまく話せるだろうか。唇を噛み締める。
「大丈夫、ちゃんと聞くから」
黒い綺麗な瞳は私を安心させるように頷いた。
「……あ、あの。私、家出……してきて。家を忘れたくて……、その、どこにも行くところなくて」
「あぁ、なるほど。そっちね」
パチンと指を鳴らすと、佐藤渚がオレンジ色の唇を持ち上げた。
「いーじゃん。遥、しばらく此処に住まわせてやんなよ」
「は?」
「え?」
私と佐藤遥の声が重なった。
「何でだよ!ありえねーだろ。見ず知らずのヤツと暮らすなんて!」
「見ず知らずって……アンタがそれ言う?」
「うるせーな」
「探してただろ?女抱くこと以外の面倒な依頼に対応してくれる可愛い受付嬢」
にやりと笑うと、コツンとピンヒールの爪先で佐藤遥の脛を蹴る。
「痛って!イチイチ暴力振るうなよな。そもそも姉貴はいいよな、此処に住んでねーんだから!大体な、俺は未成年略取で犯罪者になるのはごめんだからな!」
(え?此処に佐藤渚さんは住んでない?)
「あ、確かにな、未成年はさすがに……って有桜ちゃん何歳?」
「あ、十八歳……です」
「げっ!」
「あ、高校卒業したばっかなんだ」
私はこくんと頷いた。
「いいね!問題なし!衣食住付き、遥付き。お給料はちゃんとアタシが現金支給してあげる」
「……あ、あの、私……いいんですか?」
(は、はるか付き……知らない男の人と……どうしよう。……でも他に行くところなんて、私にはどこにもない……)
「勿論!採用決定」
私の顔をまじまじと見ながら、佐藤渚が再度パチンと指を鳴らした。